著者は織田信長に仕えた武士で1600年頃に書いたという。信長以前の尾張国の記述から始まり、入京以前を首巻とし、その後毎年一巻ずつ、15巻で本能寺の変あたりまでである。
歴史本というより記録といった感じで、誰それがどこそこで、こういういくさをした、という記録が延々と書いてある。固有名詞、人名と地名が恐ろしく多く出てくる。いくさに参加した武将名などは毎日日記をつけていたのかと思ってしまう。古い地名などは注で現在のどこにあたるか書いてある。
評価などもないわけでない。例えばなぜ比叡山を焼き討ちしたか、著者の理解が書いてある。これが今どの程度妥当か知らない。信長の部下が書いているのだから、「信長の果報が優れている有様は、わが国には比べる者もいない。信長の威光については、いうまでもないことである。」(p.468)などの書き方は当然であろう。人名、地名のオンパレードで、歴史好きでないとあまり読む気は起こらない、面白味のない本である。
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