二人の若い女の語りで話が進む。一人は脚本家の卵、もう一人は世界でも認められた映画監督である。二人による一人称小説。どちらかが語っているか気を付ける必要がある。
映画の脚本を書かないかと監督から脚本家に話がある。なぜ自分のようなまだ大して認められていない脚本家に声をかけたのか。過去の殺人事件、兄が妹を刺殺し家に放火して両親が死んだ事件を映画化したいと監督は考えている。脚本家がその事件のあった町の出身だったから。更に事件を起こした一家がアパートに住んでいた時代、この隣に監督が子供の時、住んでいた。仕切り板越しにベランダで言葉もない交際があった隣の者は、殺された少女の幼い日か。殺された少女はアイドル志望で可愛かった。しかし裏の顔があった。脚本家は時々姉に話しかける。姉はピアノがうまかった。その姉は事故死していた。
これらが最後に凡てつながりがあったと判明する。いかにも作り話的だが、まさに小説だからそう作れる。
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