早川雪洲が滞米時代末期に撮った、「オリエンタル・メロドラマ」という当時の一分類に属する作品。
キャンベル監督、ハヤカワ・フューチャー・プレイ作品。無声染色版。
中国。日本的にも見える大きな宮殿風屋敷。早川は婚約者がいるが、実際は別の女性を愛している。米国留学へ行く。卒業時、叔父は早川を驚かそうとして渡米し、彼に会う。
サンフランシスコの中国人街。ここを仕切る悪党。奴隷の売買が行われている。
茶を輸入すると見せかけた箱。その底には、若い女が隠されていた。その女は競りにかけられる。悪党はいたく気に入り、自分のものにする気でいる。その競りに来た早川はなんと、売りに出されている女が、自分の恋人と知り驚く。1万ドルという非常識な高値で落とす。
もちろんそのカネはなく、叔父に頼むが出してもらえない。売り主と交渉して待ってもらう。皿洗いのような職業につく。たまたま宝くじを当てる。カネを持っていく。売主は売るわけにはいかないと言いだす。あの悪党から止められていたのである。
早川の友人は悪党を倒しに行くが逆にやられる。早川は悪党と格闘し、逃げられる。
サンフランシスコの波止場。早川は一緒に帰郷する恋人を待っている。来ないので電話をかけに行く。その電話ボックスの外にはあの悪党がいて、匕首を取り出し襲おうとする。
早川の友人が、帰って来ない彼を捜しに行く。電話ボックスから出ている手。流れる血。あの悪党の死体であった。早川は恋人と共に出航する。
フィルムセンターの上映に先立ち、同職員の解説があった。
早川をはじめ、中国人は日本人が演じている。ただ早川の恋人は白人の女性が演じている。
今回の「発掘された映画たち2018」で上映された経緯も説明があった。元のフィルムが旧ユーゴスラヴィアのフィルムアーカイブに保存されていることを知らされ、それを入手しデジタル復元した。なぜこのアーカイブのフィルムを使ったか。それは可燃性フィルムのオリジナルであったからである。
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