2018年2月1日木曜日

たそがれ酒場 昭和30年



内田吐夢監督、新東宝白黒映画。ある日の酒場の一夜、そこの店員や集う客を描く。
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音楽を歌って聞かせる酒場。歌う青年はピアノ弾きの指導で音楽を習っている。ピアノ弾きはかつて評価された音楽家であったが、妻を巡る不祥事で今は酒場勤めにおちている。
常連の元画家は戦時に協力画を描いたことを悔やみ、今ではパチンコで稼ぐ身になっている。

ここに集まる様々な客。元軍隊の上司と部下は周りの戦後の風潮が気に入らない。愚連隊がやって来て女給の野添ひとみを呼ぶ。そのボス格の丹波哲郎は、彼女の恋人の宇津井健が来るから、来たら寄こせと言う。来た宇津井はナイフで丹波を傷つけ、女に手を出すなと言う。帰り際に、10時半に東京駅で待っている旨、野添に伝えてほしいと元画家に頼む。
野添の妹が来て、母が病気になったと言う。元画家は彼女のためにカネを融通する。
高田稔演じる音楽家は、青年の歌を聞き感心し、自分の劇団に入らないかと誘う。それを青年がピアノ弾きの先生に言うと、だめだと拒否される。理由は言わない。

ストリッパーの津島恵子はこの店の目玉である。その彼女の踊りを見ていた一人の客がいきなりナイフで切りつけようとする。他の客に取り押さえられる。加害者は警察に連行される。彼は以前津島と関係があり、自分がだめになった復讐だと言うが、津島は自分の方こそそうだと返す。
店は看板になる。元画家はピアノ弾きを呼び、いくら音楽家の高田に恨みがあっても青年を送り出してやれと言う。ピアノ弾きも納得する。
野添が帰ってくるので元画家は驚く。母や妹のことを考えると自分だけ恋人と行くわけにはいかないと。

津島恵子のストリップは、現在その言葉からイメージされるものとは全く違う。上下とも服を着て、せいぜいスカートをまくり上げるだけである。この映画の出演者一覧でも最初に名が出る。当時は人気が高かったのであろう。
この酒場が歌声喫茶とは異なるかどうかわからない。酒場で歌う、合唱する客は昔の他の映画にも出てくる。戦後の一時期の雰囲気がよくわかる。

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