フィルムセンターの「発掘された映画たち2018」で、新規に発見された映像が上映された。
日露戦争は『国宝的記録映画 旅順開城と乃木将軍』(昭和7年、16分)と『日露大戦争』(昭和5年、6分)の2篇。戦争場面などは以前、同センターで上映された日露戦争記録映画と同じものが使用されている。兵隊の行進などが多く、またポーツマス条約で日露の代表が馬車で乗り込む場面などがあった。
関東大震災関係は6編の発見フィルムが上映された。同センターの担当による解説があった。『日本之大地震』『震災後之日本』はパテ・ベビー社の共に3分程度のフィルムである。従来から見られた場面が出てくる。『東京大震災の惨状』(11分)は京都山本興行部の映像であるが、兵阪新聞社製作のフィルムとだぶる所が多い。解説員はどちらかが他を使ったか、共に別のフィルムから持ってきたのではないかと言っていた。
『関東大震災実写 1923』(17分)はマツダ映画社所蔵のネガからプリントを作成。これは震災の記録映画だけでなく、それ以前、震災に会う前と復興後の東京を映したフィルム「東京風景 明治から大正まで」「大東京 全1巻」を合わせた映画である。震災以外の部分に、新規の映像が入っているという感じである。
『Scenes of Japan’s Earthquake Disaster』(11分)は米人が撮った映像である。震災時に日本にいた米国パテ・ニュース社のラルフ・アールが撮影した。しかも戒厳令下を秘密撮影するため、カメラをモノで隠し、移動車中から撮った映像である。瓦礫の山となった市街が映し出され、解説員も今回の中では最も生々しいフィルムと言っていた。ロッセリーニの『ドイツ零年』を思い出させるようなところがある。
最後の『1923年9月1日 東京大震災(仮題)』(7分)は、以上のフィルムが大震災当時の作成であるのに対し、戦後の製作のようである。最初に大震災と第二次世界大戦の災害比較の図のようなものが出てくる。数字自体は第二次世界大戦のそれはわかっていないので?しかない。更に震災記録だけでなく、劇映画のような場面まで出てくる。
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