2017年5月20日土曜日

陸軍残虐物語 昭和38年



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佐藤純彌監督、三國連太郎主演の東映白黒映画。
映画は三国とその上司中村賀津雄が軍舎を脱走する場面から始まる。軍曹を殺害して逃げたのである。映画は遡ってそのようになった経緯を描く。

愚直な三国は妻と両親を残し入営する。内務班の長である軍曹は事あるごとに部下をいじめる。同僚の大学卒は軍曹に胡麻をする。親に軍曹の便宜を図ってもらう代わりに点数を稼ごうとするだけでない。三国の菓子を盗む。更にそれを摘発した中村に復讐するため、彼の銃部品を盗む。それを捜すため部隊全員が駆り出される。軍曹は真相を知っていながら三国に罪を押し付けようとする。
最後には三国を訪れた妻を外に誘い出し暴行を加える。これを知るに及んで遂に凶行に至る。脱走した三国は家に戻るが悲劇的な結末になる。
 
この映画で描かれる軍曹のような嫌な上司はいつでもどこでもいるだろう。ただし上下関係が絶対的な軍隊であるからこそ、極端な形をとる。戦争ほど悲劇的なものはないが、それを遂行する軍隊はこのような組織であり、二重に嫌悪を催させる。

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