日仏合作の総天然色映画。イヴ・シャンピ監督。岸恵子、ジャン・マレー、ダニエル・ダリュー出演。
長崎の造船所にフランスからの技師(マレー)が来ている。着物屋を営む岸と相愛の仲になる。フランス女性でジャーナリストのダリューがやって来る。
マレーは両方の女性とうまくやっていきたいと思っている。ただし女性たちの方が真剣である。
映画のみどころは最後の方に出てくる台風の場面である。特撮の一種と言ってもいいくらい、迫力ある暴風雨を再現している。仏語の題はTyphon sur Nagasakiだそうだ。
映画の終わり方はこんな風でいいのかと思った。
昭和30年の長崎が色つきで見られる。60年も経った現在では日本人がみても異郷である。日仏合作でフランス人が監督、かの国の観客を意識しているため、どうしてもexotic Japanといった場面が多く出てくるのはやむを得ない。戦前の「新しき土」に比べたらましと思うしかない。
またフランス語を、岸を初め日本人俳優が喋る。そういえば昔の日本人はむやみにフランスに憧れていたものだった。サルトルを話題にしたがる若者が出てくる。昔のサルトル熱を思い出した。
この映画はあまり上映されないようだ。どうしても西洋人優位の地が出てくる。当時なら当然であって、それほど日本人も抵抗を感じなかったかもしれないが、今は違うだろう。
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