主人公の貴族はプレイボーイであり、妻の前で平気で情人ののろけを物語る。現在はともかくこの映画の舞台となった昔であれば、夫の「浮気」は寛容視され、妻の「不義」は許されないというのは、日本と同じく向うの国でも同様であったのか。
ともかく主人公の夫は身勝手であり、自分の浮気を当然視している。それに耐える妻だけなら問題がなかった。しかし妻も美男の流行作家から恋せられる。
ここで男と女の生理的違いが出てくる。妻が妊娠してしまったのである。不義の子と知った夫は堕せと迫る。拒否する妻。しかも不倫の相手の作家は外国で病死してしまう。
赤ん坊が生まれる。妻はこの子が憎いと口先では言う。夫は極端な行動に出る。その結果、妻から完全に拒否され、憎悪されるに至る。情人の夫人と生きたいと持ち掛けても捨てられてしまう。
主人公の勝手な行動が大きな原因を作り、妻の不倫による妊娠、出産などいわば偶然的な要素も強いものの、非行に走った夫は同情されないだろう。しかし彼は最後まで自分の行動を後悔していなかったのではないか、そうであれば自分自身を憐れんだままであったのか。
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