何度か映画化されている。有名なのは1997年のイーサン・ホーク、グィネス・パルトロゥ等の出演による作品と、ここで取り上げる1946年のディヴィッド・リーン監督による映画である。白黒映画である。
現代に時代を変えた1997年の映画と違って、ここでは原作とおり19世紀のイギリスが舞台となっており、やはり同監督による『オリヴァー・ツイスト』などと同様に、当時のイギリスの雰囲気を再現している。正直いってこの作品にしても、『オリヴァー・ツイスト』にしても19世紀のイギリスそのもの、空気が見られるのが最大の魅力でなかろうかと思ってしまうくらい。
登場人物ではやはり一番印象に残るのは、エステラの少女時代を演じた十代のジーン・シモンズである。後に知的美人としてハリウッド映画でも活躍する彼女は、冷たくて高慢な美少女を演じて、これ以上のはまり役はないと思ってしまう。どうみても少女時代のヴィヴィアン・リーにしか見えない。
後、主人公ピップの成人後の友人役で、若き日のアレック・ギネスが出ている。当然ながらそう言われなければ気がつかない。
この映画を見て、元の原作を読み直したくなった。
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