主人公は黄金狂時代に金鉱の採掘夫をしていたが、出世を夢み歯科医になる。
友人の従妹と恋仲になりめでたく結婚。しかしその式の最中、花嫁に高額の宝くじが当選した知らせが来る。
これによって花嫁は手に入れたカネを無くすことを恐れ、極端な吝嗇家になる。また友人は元々恋人だった従妹を譲ってしまったことが、宝くじを手に入れ損ねた原因と考えるようになり、主人公に邪見になる。
悪質な友人と手を切ったものの、この友人は主人公がもぐりの医者だと通報する。そのため失業する主人公。失業者になった彼は職を捜すものの、なかなか見つからず、妻にカネを無心するがにべもなく断られる。悪化の一途を辿る夫婦仲。
まず悲劇は妻に起こり、奪ったカネを巡って主人公といまや完全な敵となった元友人が砂漠で有名な結末を迎える。
巨額のカネを入手したことが、かえって不幸を招いてしまうという主題に対し、最も早くとりくんだ作品であろう。
しかしカネの無意味さを説くという、やや説教的なところが今となっては陳腐に思われるかもしれない。
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