2015年5月19日火曜日

十七人の忍者 昭和38年

長谷川安人監督による白黒映画。主人公は大友柳太朗であろう。

反幕府を企む諸藩の連判状、老中はその奪取を伊賀の忍者に命じ、企てを阻止しようとする。
命じられた忍者の頭は大友柳太朗、全員で十人以上の忍者が駿府の城へ連判状を奪いに急ぐ。

対する城側では根来忍者である近衛十四郎を雇い、その防衛を強化する。伊賀の忍者たちは城攻めを行なうが、近衛の知恵や策略により次々と斃れていく。

頭の大友も変装を近衛に見破られ、捕まり牢に入れられ、脚を折られてしまう。捕まる直前に大友は仲間の一人、里見浩太郎にこれから指揮はお前がとれと言い残す。まだ若輩である里見を頭に抱くことを不満に思う忍者もいるが、期限も迫られ一丸となって決死の覚悟で城へ攻め入ろうとする。このときには大友の妹である女まで仲間の一味となって加わった。

策略家の近衛にかかり、残った伊賀忍者もやられていき、最後には里見と東千代之介の二人となる。東の犠牲で里見は連判状のある、倉へと急ぐ。その間囚われの身であった大友は牢を破り這って連判状を取りに行く。里見にこれを渡す。近衛は里見を倒そうとするが、今まで勘定に入れていなかった大友の妹も女忍者であり、二人して強敵近衛を破る。
大友は二人を逃がし最後の力で門を閉めて追手を阻む。

大友はいつもの磊落な雰囲気と異なり沈着冷静な忍者の頭を演じる。また敵の近衛も正直映画では一番目立つ役柄ではないかと思うくらい、一人で伊賀忍者たちを倒し防御する。しかし彼も臨時雇いの身であり仲間の侍たちからは馬鹿にされ、幕府隠密である伊賀忍者に怨念のような恨みを持つ。近衛と牢の中の大友の言い合いも対決であり迫力がある。

若手の里見と東では、里見が代理の頭になるなど上の扱いである。倉の中で潜んでいるとき、先輩である東が不満を述べるところなど、実際の東映の扱いそのままになっていて面白い。

忍者は次々と捨石となって斃れていく。最後にも彼らの活躍の記録は何一つ残されていないと字幕が出るなど忍者の無名さと犠牲が強調されている。若い男女の二人の設定はその中での救いとしてやや空想的に描いている。

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