2022年6月19日日曜日

警視庁物語 不在証明 昭和36年

島津昇一監督、東映、62分、白黒映画。

某官庁、夜のビル、守衛が見回りしている。ある部屋でロッカーを開けている男がいる。その部屋に守衛が入り、男を発見するが殴られる。相手の顔を見た守衛は叫ぶ。知っていた顔だったから。この叫びを聞いて男は何度も殴り返し、ついに守衛は意識を失い最終的に死ぬ。

明くる日、警察から第一発見者の女事務員、係長(小沢栄太郎)は聴取される。ロッカー(金庫)が荒らされているが、取られた物はないと答える。犯行時刻は壊れた腕時計から2115分頃と分かる。当夜ビルにいたのは残業していた小沢と部下の二人である。7時台に引け、飲み屋に行ったと言う。そのうち一人の男は恋人とのもつれから、会うため早々に出たいと言いだす。それにはもう一人の部下がついて行く。小沢はタクシーで帰った。後にこれらの証言を確かめていくと嘘が色々あると分かった。一旦は恋人ともめている男の容疑が濃くなるが、結局真犯人が逮捕される。警察から解放されたが、男は恋人とは和解することなく、別れて終わり。

この映画で小沢は係長の分際でありながら、飲み屋の帰りにタクシーを使う。少し考えられない設定である。当時は役人ときたら安月給と決まっていた。今の役人でも東京で飲み屋の帰りにタクシーを使うなど考えにくい。この辺りお金を使い放題だった映画人の感覚で作っているのが良く分かる。

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