佐伯清監督、東映、88分、高倉健、久保菜穂子主演、総天然色映画。
高倉は職員が2人しかいない三流経済紙を主宰する。贋ドルが見つかったとのニュースを見る。担当の警察では容疑者は釈放したと記者たちに言う。外人相手の観光でその際掴まされたのが贋札だった。高倉はこの事件に興味を持ち、釈放された容疑者宅に行くと殺されていた。警察から取り調べを受けるが知り合いの刑事(加藤嘉)によって釈放される。横浜でタクシーの運転手が外人客から受け取ったドルが贋札と分かった。警察はドル札など受けとるなと言うが横浜のように外人が多い場所ではたまにあるという。しかもその贋札では円に換えてもらえない。絶望する運転手。
高倉は空港で見かけた久保菜穂子に関心を持ち、接近する。久保の仕事は今でいう旅行エージェントである。もちろん一般日本人の海外旅行など夢の時代である。外人相手で利益はかなりあるとのこと。実は久保の勤務する会社自体が贋ドルを売っていた組織だったのである。高倉は友人が外国に行くというので何が価値があるか、それはドル札だというので、久保に円をドル札に替えてもらう。銀行で円から外貨への両替など全くできなかった時代である。これは警察で調べると贋ドル札であった。出所はどこだと警察から問い詰められるが高倉は話さない。
久保が京都、名古屋などに外人を連れて行く旅を高倉は追う。盗み取ったトランクを帰京して開けてみると紙くずだった。久保は高倉が後をつけていたのを知っていたのである。
久保は高倉に相談があるという。それは犯罪、それも殺人をして外国に大量の金と高飛びする計画であった。久保は高倉が自分を好いていると知っていて、話をもちかけ了承するだろうと知って話したのである。高倉は承知する。久保は自分の上司(同じ東映の『警視庁物語』シリーズで捜査の中心で活躍する刑事役をした堀雄二)が飲む酒に毒を盛るよう高倉に指示する。その後、ドルと円の私的大量交換(これも犯罪である)を別の会社の連中と久保、高倉は行なう。贋ドルを払い日本円を入手し、飛行機でブラジルに飛び立つ予定だった。
しかしこの計画は羽田で崩れる。高倉は警察に通報し久保は殺される。実は高倉の妹が贋ドル絡みで留学した際、死んだという事情があった。
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