ジョー・バーリンジャー監督、米、109分。連続殺人犯にあたる英語がこの男によって作られたというテッド・バンディが主人公の映画。
実在の殺人犯を描く映画となれば普通は、記録映画風、すなわち男がいかにして犯罪を行ない、警察がどのように捜査し捕えたかという展開を予想しないか。本映画は全く異なる。テッド・バンディの恋人からの視点で作られているのである。犯罪場面などは回想で若干出てくるだけである。例えば我が国で言えば、宮崎勤や神戸の連続児童殺害事件の少年Aを知る親しい者、犯罪なんて全く夢にも思わなかった者からの視点である。
実在のバンディの恋人との出会いから始まり、恋人はバンディに容疑がかかり捕えられても信じたい気でいる。裁判は公開で行なわれたそうで、実際のバンディの言動をなぞった作りである。
本映画を観ているとなぜバンディがあれほどまでに女をものにでき、更に裁判が始まってからもバンディに同情する女が絶えなかったかが分かる。
ともかく口がうまいのである。どうすれば女をものにできるか完全に知りつくている。もう一つはバンディが捕えられ、裁判にかけられている以上、バンディは「苦労」し、「迫害(は言い過ぎだろうが)」させられている存在となり、女の同情心をそそる。女は困っている男の力になってやりたいという本能がある。
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