2021年2月12日金曜日

池谷裕二『進化しすぎた脳』朝日出版社 2004

 

脳科学者として有名で啓蒙書が多くある著者による脳科学講義である。対象はニューヨーク在住の日本人中高生である。単に一方的な講演でなく、聴講者との質問のやり取りがある。

講義の内容では、まず脳が身体を支配しているというより、身体によって脳が制約されているというか、脳だけ進化しても身体の制約により使いこなせないところがある。これが題名のもとになっている。人間の心、これは脳の機能であり、それは言葉によって発達した。また脳は結構、あいまいなところがあり、これが汎用化の機能を持たせている。この仕組みの理解には細部だけ見るのでなく、全体を把握する必要がある。講義の最後の方ではアルツハイマー症状の原因について当時分かった知見を書いている。

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