2019年10月21日月曜日

未完成交響楽 Das Dreimäderlhaus 1958年

エルンスト・マリシュカ監督、オーストリア映画、アスパ・フィルム/エーリナ製作、93分、総天然色映画。作曲家シューベルトの映画であるが、有名な戦前の映画(フォルスト監督)とは別物。
原題「3人娘の家」が示すように、3人の姉妹、その末娘とシューベルト及び友人の恋を描く。

映画はベートーヴェンの皇帝協奏曲の演奏会から始まる。シューベルトも聴衆の一人であった。友人たちと酒場で落ち合う。しかし近くの席に今の演奏会を貶す男がいる。シューベルトはその男につめより抗議する。明くる日になってシューベルトが楽譜出版社のディアベリを訪れると、あの貶してシューベルトが腹を立てた男がディアベリだった。ディアベリはすぐに理解し、シューベルトの才能を買っているので、有名な歌い手に唄わせようとする。その歌手が自分で演奏し歌っているのを聴くとシューベルトは自分の意図と違うのでイライラする。後の二人が顔を合わせた会では理解し合い、友人になる。

シューベルトには仲の良い友人たちがいて、三人姉妹の末娘を紹介した、シューベルトはそのピアノ教師となる。お互いに惹かれ合う。シューベルトはその娘と結婚したいと思っていたものの勇気がなく打ち明けられない。シューベルトの友人の一人の男爵も娘を憎からず思っていた。召使いたちが娘に、男爵が見つめていたと話す。娘もその気になる。シューベルトは娘への恋の告白の歌を作る。シューベルトの伴奏で男爵が歌ってくれた。恋の告白を歌った男爵に求婚されたと思い込み、娘はその胸に飛び込む。意気消沈するシューベルト。
結婚式の日に実はシューベルトが娘に告白するつもりだったと仲間らは告げる。結婚式の最中、悩むシューベルトで映画は終わり。

邦題は戦前の有名作と同じなので間違えやすい。交響楽とは戦前よく使われた言い方である。戦後の映画なら「未完成交響曲」とすれば良かったのにと思ってしまう。

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