2015年7月2日木曜日

日本解放戦線 三里塚の夏 昭和43年

成田闘争を描いたドキュメンタリーシリーズの一。白黒。小川伸介監督は反成田空港建設運動を多く撮った。

これはその第一作で制作年代からわかるようにまだ初期である。そのため反対派農民や支援学生と公団側、機動隊との小競り合いが撮られているが、まだあまり大きな衝突まで至っていない。戸村委員長など懐かしい顔も見える。

しかしそもそも成田闘争はなぜ起こったのか。もちろん農民の中に自らの土地を空港建設に提供することを拒んだ者たちがいたからである。しかしながら一応、空港建設が決まるまで形式的な手続きは踏んだはずである。それが全く納得のいかないものだったか知らない。
しかし決まった以上、それに不満な少数派はいつも出てくる。少数派が多数派に従うべきだと言っているのではない。少数派は自らの意見を言っていい。泣き寝入りをしろとか、民主主義は多数派に従うものだと言っているわけではない。

基本的な考えとして民主主義では、少数派をどう扱うべきとなっているのか。決定の手続きに参加できるなら決まった以上、結果が自分の思い通りでなくても文句を言ってはいけないのか。しかしこの映画でも権力側が弱者の農民を攻撃しているという図式である。

少数派の扱いについて決まったルールがない、それで成田闘争では少数派が抗議、それは当然の権利として認められている。その行動に出たときもう少しましな対応ができなかったのか。

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