2019年5月30日木曜日

恐喝こそわが人生 昭和43年

深作欣二監督、松竹大船、89分、総天。然色映画、一部白黒。

松方弘樹主演作、3人の仲間と恐喝をするグループを作る。元々松方は社会の底辺の仕事をしていたが、ある際耳に入れた情報でゆすりを行ない、まんまとカネをせしめる。
仲間たちと次々と恐喝で儲けるようになる。売春をさせる館の主を閉じ込め乱暴するなど相手が悪い連中であるから容赦なくひどい事をやっていく。

ひょんなことから知った政界の裏の醜聞。高利貸しに官房長官が利権を約束する念書を書いた。それが暴かれると政権はひっくり返る。この念書を持つ高利貸しをとらえて、拷問で奪い取る。その間仲間の一人は殺され、一人は離脱した。
一億円で売る約束を黒幕とし、相手が裏切った場合は新聞社に流すと脅す。しかし官房長官は念書が偽物だと公表する。これによって念書自体の意味はなくなった。
約束の時間に有楽町の朝日新聞前交差点に現れた松方を、殺し屋が刺す。血を流しながら松方はよろめき倒れる。遠くから見ていた黒幕は走り去る。

昔よくあった社会の巨悪に挑み、敗れる映画である。松本清張の世界である。今はあまりないようだ。巨悪はいなくなったのか。何人かの結構有名な俳優が少しの時間だけ出ている。

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