明治維新の元になった幕末から稿を起こし、明治が終結し大正初めの政治動向までを中心にし、必要に応じて社会、経済にも触れている。
通常の歴史書と比べて、例えば明治維新、日清、日露の戦役で、普通ならかなり詳しく記述してあるところを簡単にしか触れていない。つまり歴史事実の単なる伝達でなく、歴史の因果関係を理解させる、のが本書の狙いなのであろう。
これはまさに歴史書に望みたい態度である。世の中には歴史好きが多いから、歴史の細かいところまで知りたい需要があるのだろう。しかし自分のようなあくまで歴史の流れの意味や因果関係を知りたいという者にとって、多くの歴史書は事実の羅列といった印象を持つ。
かつてのマルクス主義史観のような、図式に無理やりあてはめる歴史観への反動か、学術的中立的のつもりか、資料集の解説のような記述を延々とする歴史書が幅を利かせているようである。それらは退屈でしょうがない。資料を踏まえた解釈を知りたい。
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