2019年5月8日水曜日

西岡文彦『絶頂美術館』マガジンハウス 2008年

ヌードから見た西洋美術論。

西洋絵画にヌードが多いのは周知のとおり。それが神話や宗教に関するものに、かつては限られていたのも絵画に関心があれば知っているだろう。近代ではこの発想に挑戦する絵画が現れた、などが書かれている。ある意味当然かもしれないが、古代からのヌード画も性に対する人間の興味も伴っている、と書かれている。いわば神話等に素材をとったのは、表面上覆い隠すための方便であると言える。

アカデミック派の絵画で、かつては印象派の陰に追いやられていたカバネルのヴィーナス誕生に始まり、美術史上有名な作品のどのように解釈するか、目の付け所などが興味深く記述されていて、読んでいて楽しい本である。

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