稲垣浩監督、片岡知恵蔵主演の無声映画。チャンバラ物である。
三人の浪人は仲が良いが、カネがなく困っている。髭面は酒好き、もう一人は女が好きである。片岡が知恵を出し、道場破りに出かける。看板を持ってくる。その代金としてカネをもらい足しにする。
ある日茶屋で飲んでいると、やくざのような暴力団的浪士たちがやって来て我が物顔に振舞い、町人たちに狼藉を働く。片岡はその中のボス的な男と斬り合い、相手の髷を切り落とす。
たまたま三浪士の一人が拾った財布で飲み食いするとそれは贋金であり、彼は役人たちに捕らえられる。残りの二人も在宅中に役人に襲われるが逃げ出す。
片岡が行方不明になる。髭面の浪人は化物屋敷の異名をとる廃屋に忍び込む。そこでは贋金が作るため職人たちが捕まっていた。髭面は職人たちを逃がす。覆面の悪党どもが襲ってくる。しかしその中の一人は悪人たちに手向かう。覆面を取ると片岡だった。役人たちが現れ、覆面悪党どもを捕まえる。彼らは例の暴力団的浪士たちだった。
最後は三浪士が町人たちの歓呼に応え、馬に乗り街中を凱旋する。
片岡は時代劇俳優だったものの、剣さばきは得意でなかったとか。それでこのような痛快時代劇も作ったそうだ。それにしてもこの映画の片岡は若く、二枚目である。
片岡は時代劇の大物俳優であり、戦後の作品ではボス的な役を演じている。しかし中高年になって、大物と知っているから見られたものの、見た目はただの中年のオジサンである。
こういう若い時の姿を見ると、実際に色男であり、人気があっただろうとわかる。
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