衣笠貞之助監督による東宝の白黒映画。
女優松井須磨子の女優としての成長と島村抱月との恋を描いている。
俳優の養成所での苦労、名を売ってからの同僚の妨害、師である島村との醜聞に悩まされる姿を山田五十鈴が熱演する。
作成されたのは昭和22年というまさに戦後のデモクラシー全盛期で、解放への期待が大きかった時代であり、占領軍の民主化への要請に応える映画であった。制作当時、観客のどのような思いで観たか、現代の我々には追体験できない。
一部の人や周囲に邪魔されてうまくいかないという設定は、やや平板に見える。
この映画の価値は、やはり主演の山田五十鈴の演技だろう。あと制作された、戦後間もない民主化の時代の空気を味わえる。
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