主人公のタッソオはイタリアのある宮廷に招かれている。詩人ということで領主やその妹たちから尊敬され賞賛されている。しかし一方で現実的な大臣からは批判される。
芸術家そのものであるタッソオはこの雰囲気に耐えられず、当地を去ることを決心する、という内容である。
理解されない芸術家の悩みといってもいいし、大臣側からすれば気儘な詩人のわがままに付き合っていられないということになる。
主人公に対してゲーテは自分自身と重ね合わせ、共感を覚え書いたようである。理解されない芸術家の悩みを描いた作品としてはシェリー夫人の『フランケンシュタイン』が有名だがこの作品では直裁に書かれている。
実吉捷郎訳岩波文庫1950年
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