2015年2月2日月曜日

花笠若衆 昭和33年

美空ひばり主演、佐伯清監督による総天然色映画。


落胤譚と男装の美人の組み合わせ。主人公のひばりは某藩の姫なのだが生誕後、町人として育ち男のなりをしている、という設定。

町衆が花魁道中の見物をしている。町娘に難癖をつける旗本たちがいた。そこへ飛び込んだのがひばり扮するいなせな若者。この闘いに若侍(大川橋蔵)が助太刀した。手出しは無用と返答するひばり。
 
その頃ひばりの家に武家二人が訪れ、父の大河内傅次郎が対応する。武家たちの要求は18年前、但馬の某藩から連れ出した双子の姉姫のありかを聞き出すこと。大河内は娘は死んだと答える。武家の狙いは姫そのものよりむしろ殿が書いたお墨付きの入手である。つまりお墨付きによって偽姫をたて、藩の乗っ取りを企む悪家老の計画であった。国元では江戸の姫捜しの動きに対応して、妹姫(ひばりの二役)の婚約者である江戸在住の橋蔵に調べさせることとした。ひばりは大河内から自分の素性を聞き驚く。大河内は留守中にやくざ旗本に殺されお墨付きを奪われる。
 
父を殺されたひばりは復讐のため橋蔵と国元へ向かう。その一行を落石により亡き者にしたと思い込んだ。城では偽姫を殿に紹介しお墨付きを見せ相続の了解を得た。その時、ひばり、橋蔵が現れ悪事を暴く。立ち回りになり悪人供を成敗したが、ひばりは妹姫に城主を譲り以前の生活へ戻る。江戸の祭りで威勢よく景気をつけるひばりを見守る橋蔵と妹姫。

ひばりが18年間男として育てられて、周囲は誰も気付かなかったのか不思議だが野暮なことを言ってもしょうがない。
最後の城での立ち回りで悪家老の指示によって、城主、橋蔵、ひばりを倒そうとする家来たち。多くは逆にやられてしまう。ただ悪家老という上司の言いつけ通りやって沢山殺されてしまうのは不条理でないか。時代劇を見るとそう思うものが多い。当時の観客は気にならなかったのだろうか。
野暮な意見は置いておいて、ひばりと橋蔵という当時の人気スターを堪能できる映画である。

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