2015年2月28日土曜日

夢追いかけて 2009年

インドネシアのリリ・リザ監督による総天然色映画。



パリへ行こうという夢を追いかける若者たちを描く。三人の若者の話だが特に語り手と楽観的で前向きな友人の間が中心。

作家志望の主人公が大学を出たものの、郵便局で仕分けの仕事しかやっていない場面から始まる。彼は郵便局が嫌いだと言う。過去の回想になる。

彼の実直な父親は錫の工場に30年以上勤めていたが下っ端にすぎなかった。ある日昇進の連絡が来て勇んで父子その式典に出席する。最後まで名を呼んでもらえず結局郵便局の誤配とわかる。

少年時代に孤児である友人と出会い、その後ずっと付き合う。もう一人の仲間は馬が大好きな吃音の少年である。

話は高校へ入ってからの生活の部分が長い、頑固で厳しい校長と生徒に人気のある熱血漢タイプの若い教師。若い教師は盛んに夢をもてと生徒たちを煽る。好きな言葉を挙げてみろと彼らに言わせる。パリのソルボンヌこそ文明の中心の学校。そこを目指せと言う。このあたり今の日本にはこんな教師いないだろうと思わせる。多分戦前なら子供へ大志を抱けと煽っていた先生は結構多かったと思う。このあたりまだインドネシアが若い国というか発展途上にあるとわかる。しかも国際化時代、パリの大学を目指せというわけである。

友人は好きな女生徒ができ、なんとか気を引こうと必死になる。
語り手は外国への憧れから船に乗って外国航路に出たいと思い出し、勉学を怠けるようになる。父親を落胆させる彼を校長は厳しくたしなめる。

勉強に必死になり、語り手と友人はインドネシア大学に受かる。しかし大学卒業後、郵便局にしか勤め口がなく、友人も姿をくらましてしまった。

最後はハッピーエンドとなるわけだが、こういう夢を追いかける話はさすがにまだまだ貧しいところがある国の方が作りやすいと思う。かつての多くの名作映画が貧困を原因として作成されている。映画は作られる世界の反映でもある。

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