著者は東京外語大で教授をしていた言語学の専門家。ここで出版年を見ると1986年、つまり昭和61年でバブル直前、まだ現在のようなグローバル化の時代でない。この前年、プラザ合意で円の価値が倍になり、猫も杓子も外国に行くようになっていた時代である。しかし本の執筆はまだ日本人が外国になじみがなく、外国人(西洋人)などほとんど日本では見かけなかった時代である。またソ連崩壊の3年前である。本の中でロシヤ語は世界の半分にとって重要な言語だから学ぶ価値があると言っている。まだそういう時代である。
それでも本書に書いてある外国語の上達法は今でも通用する。外国語の学習法は大体どの本でも同じようなことを言っている。本書を読めば十分である。まず学ぶ目的をはっきりさせよとある。今なら誰でも英語を喋れるようになりたいと思っている。この本の時代では趣味でなんとなく外国語を学ぼうとする人がいて、そういった者も想定しているらしい。
外国語の習得に必要なもの、金と時間とある。金を惜しんではならない。覚えるべきは基礎的な語彙、千くらいの語と文法である。学習書は薄い方がいい。良い先生、それは熱心な先生である。発音は最初に正しく教えるべき。だから日本人には発音しにくい言葉は弱点になっている。最後にその国の文化、広い意味で、の習得が重要である。やはり一番ためになったのは、外国語はすぐに忘れるものだ、だから何度も何度も繰り返しの勉強が必要という点である。
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