ベルイマン監督の白黒映画。
主人公の老医師はスウェーデン映画の巨匠シェーストレームが演じる。
医師が名誉学位を授与されるため、ストックホルムから車でスウェーデン南端の大学へ赴く。これが映画の背景である。
車には息子の嫁が帰るため同行。また途中で90歳を過ぎた老母の所は寄ったり、ヒッチハイカーの若者三人、事故に遭った中年夫婦を同乗させる。
老医師の夢や回想の場面が多く、幻想的な色彩が全体に漂っている。
出発の前には棺桶の中の、自らの死体に遭遇する夢を見る。途中で立ち寄った、若い頃家族ともによく過ごした家の前のまどろみでは、過去の夢を見る。自分の恋人が弟に口説かれている。
まだ矍鑠たる老母からの説教、同乗させた中年夫婦の絶え間ない喧嘩、そして息子の嫁からは夫婦生活の実態を聞かされる。
名誉学位を受けるという晴れがましい地位になったものの、自らの人生を顧みればどうだったか。人生について考えさせる映画であり、ベルイマン監督の代表作の名に恥じない。
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