評論家の吉本隆明が13歳の少年に向けて、人生の生き方を自分の体験を通して語る。まず新聞を読めと言う。世の中が分かるから。人間のあり方は「個人としての個人」と「社会的な個人」という側面がある。後者は社会と交わる時の個人の側面である。さぼっている者がいたとしても黙って自分の仕事をすべきである。人間は強制では動かせない。自由な意思だけが人を動かす。「家族の一員としての個人」という、個人と社会をつなぐ面がある。
更に宗教、法律、国家がどういうものか述べる。次いで犯罪や死について述べる。なぜ人を殺してはいけないかという問いがあれば、自分で自分を殺してみればいいと答える。死が近くなると、死は自分のものでなく、周りの者の物になる。延命治療すべきかといった判断、死を納得するかなど、自分でなく周りの人間の物になる。また死は生の最終時点でなく、生と共にあるものであると言っている。生まれた時から生を照らし出すものが死だというのである。戦争について自分の体験から語る。最後に人間は自分の生まれた時代を引き受けて行くしかないと述べている。
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