ある日の自宅の扉に特徴的なナイフが刺してあるのを見つけ隠す。新聞を見ると金貸しが殺され、指紋は死刑になった強盗殺人犯のものとわかり、またその犯人のナイフがまさに自分が見つけたものであったと知る。これで一層恐怖に陥る。
家庭の経済事情が緊迫し、仲の悪い父親にカネの無心に行くと父の死体を見つけた。警察が調べるが使われたナイフは自分が隠したあのナイフであった。オーラックのところへ不審な男がやってくる。そして「真相」を打ち明ける。ナイフから見つかったのは、まさにオーラックの今の手の指紋なので父殺しの犯人はオーラックしかない。警察に告げない代わりに大金を寄こせとゆする。
この映画は、自分の手が自分のものでなく怖ろしいものとしか感じられず、かえってそれに支配され、罪を犯したのではないかと悩まされる恐怖を描いている。人間が外部のモノに支配され破滅を招く、それが酒であったり麻薬だったり賭博だったり、そういう話はよく聞く。ここではそれが外部でなく自分自身の一部なのである。自分の手という最も重要な身体の一部を悪魔のように感じてしまう。印象に残る作品であった。
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