監督ウチツキ、白黒のドイツ映画。ヒトラー政権獲得直後の映画で、戦意昂揚の意図が見られる。
Uボートはイギリス艦隊の策略にかかり沈められる。多くの犠牲を出し、残る乗務員は10名のみ。しかし救命用の胴衣は8人分しかない。
艦長は脱出を船員に命じるが運命を共にするといい誰も聞かない。そのうち二人の乗組員が自殺し残りの仲間を助ける。故郷に帰った乗務員は新たな戦闘に赴く。
このように犠牲的精神を強調した映画なのであるが、フィルムセンターのパンフレットによれば「日本や米国などの各国で、抑制された写実的描写と、故郷の人々らの陰影を持った人物像から、戦争の惨禍を描いた人道主義的映画との評価を集めた」そうである。
なお長い会話が交わされているのに字幕が出ない場面が結構ある。話の理解上必要ないと感じたか、当時の状況から都合が悪かったのか。一方で三行の渡る字幕も出てくる。旧漢字とプリントの古さから見にくい。まだ字幕技術が十分発達していなかった時代なのであろう。
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