登場人物はほぼ二人の女性に限られるというかなり実験的な映画。
舞台女優(リブ・ウルマン)は失語症になる。彼女を世話する若い看護婦。この二人の場面が映画の大部分を占める。設定からわかるように喋るのは専ら看護婦。それもかなり饒舌に喋る。
病院でなく海辺の別荘で療養を続ける二人。看護婦が回想する少年との無軌道な行動。それを女優が医師への手紙に書く。看護婦は女優が信じられなくなる。
この映画を心理学的に解釈することも可能である。しかしそういった分析は映画の「正しい」理解を一つにしてしまい、あまり面白くない気がする。
無声映画を見ていると台詞がなくても映画の面白さは十分伝わると思うことしばしばである。この映画では全く逆に、あまりに饒舌な一方の語り。それがなくては何も成立しない映画と思った。
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