彼女は文学者と言ってよく、有名なラファイエット夫人やラロシュフコーと親交があり、手紙中にも度々それらの名が出てくる。
夫人の夫は放蕩者であり決闘に斃れ25歳で未亡人となった。その後娘と息子の成長を楽しみにし、特に娘が嫁いだ後彼女あての手紙を多くしたためるようになった。その他にも書簡は多いものの、文学として評価が高いものは私的な内容のものだそうである。17世紀のフランス貴族社会とか今の我々にはあまりに遠く、想像のつかない世界である。しかしこれらの手紙の内容を見ると娘を気遣う母親の気持ちは時代に関わりなく不変であるとわかるし、また出来事や噂話を伝えるなど、電話も何もなく遠くへの伝達手段が手紙だけだった時代であるがゆえに些事までわかる。貴族といえ人間としての情は変わらないと思うし、またそういう社会ならではの話題もある。
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