原作は1814年に出版された。舞台は18世紀半ばのスコットランドとイングランド。英国革命で追われた側のチャールズ王子が時のハノーヴァー王家に反旗を翻した1745年の乱が背景である。
イギリス革命に疎い自分としてこの時期の勉強になった。また高校あたりの教科書ではここまで触れてあったか記憶が定かでないが、スコットランドが反ハノーヴァーであったとか、よく聞く高地地方(ハイランド)とか、その意味、大ブリテンの中での歴史的位置づけ、いろいろわかった。
主人公のウェイヴァリーが巡り合う女性でもっとも結婚しそうなローラと結ばれず、人物がやや型にはまっているローズと結婚するあたりなど『アイヴァンホー』を思い出させる。
こういう小説は今どきあまり人気がないのであろうか。ようやく翻訳が出たくらいだし。訳者の後書きによれば出版社を見つけるのも時間がかかったようだ。
ともかく読んでいて面白いし、発売当時ヨーロッパで大人気になったことはわかる。もっと他のスコットの小説、未訳が多いし翻訳してもらいたいものだ。
古典の新訳が流行っているようだが既訳のあるものばかり何度も出すのでなく、これまで翻訳のない面白い古典を訳してもらいたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿