前著『〈映画の見方がわかる本〉ー2001年宇宙の旅から未知との遭遇まで』に続く、80年代の映画の見方を解説した本である。本書で取り上げられた映画は「ビデオドーム」「グレムリン」「ターミネーター」「未来世紀ブラジル」「プラトーン」「ブルーベルベット」「ロボコップ」「ブレードランナー」の諸作である。
いずれも以前より親しんできた映画であり、2回以上見ている作品が多い。これらが優れている映画、見るに値する映画とは思っていたが、本書でその意図するところを深く理解することができた。映画について書いてある本の中には著者は分かっているつもりでも、あるいは読者を煙に巻こうとしているのか、よく分からない本がある。本書はそれらと違って、いかにもよく分かったと思わせる本である。