2025年12月25日木曜日

殺人狂時代 昭和42年

岡本喜八監督、東宝、99分、白黒映画。仲代達矢主演。天本英世は精神病院の院長で、患者を殺し屋に仕立てていた。ドイツからナチ系の男が来て、殺人依頼で腕を試すため、三人の殺人を依頼する。その中に、犯罪心理学の大学教員である仲代がいた。仲代は逆に殺し屋を殺す。仲代に仲間として砂塚秀夫と記者の段玲子が加わった。

天本はナチの意図が仲代で、ダイヤが身体に埋め込んであるからと知る。天本は殺し屋を次々と送り込むが、仲代に返り討ちされる。天本は団を人質に取る。仲代らは助けに行く。自衛隊が砲撃訓練をしている原野に団がいて救助する。最後は仲代と天本の一騎討ちで、天本を倒す。これで悪人どもをみんな片づけたと思ったが、実は団が敵方でこれを倒す。

処刑!血のしたたり Intruder 1989

スコット・スピーゲル監督、米、87分。スーパーマーケットが舞台の恐怖映画。スーパーマーケットで働いている女子店員のところへ、昔の彼氏が来てしつこく付きまとう。他の店員が話そうとすると暴力を奮い出し、店から追い出される。警察にも電話した。男が追い出されてから警察は着いた。店長から店を仕舞うと言われ店員らは驚く。もう売る先も決まっていると。店の次長格は、自分は反対したと言うが、株を過半持っている店長には叶わない。

その後店員たちに黒い影が付きまとい、次々と殺人をしていく。犯人はあの追い出された男かと思いきや、実は次長格の男と分かる。自分はこの店に愛着がある。売ろうとする店長を殺した。他の者も殺すと言う。女子店員は逃げる。追う殺人鬼。あの最初に追い出された、女子店員の元恋人が来て助ける。なかなか死なない次長格の斧を何度も振り下ろす。そこに警官らが到着する。女子店員や助けている元恋人を逮捕する。犯人はそいつらが人殺しだと言う。女子店員が抗議しても警察は聞かない。

2025年12月22日月曜日

果てしなき欲望 昭和33年

今村昌平監督、日活、101分、白黒映画。戦後十年経ち、地方都市の駅前に数人の者が集まる。殿山泰司、西村晃、加藤武、小沢昭一、渡辺美佐子である。戦争末期に軍が防空壕に隠しておいた麻薬を取り出そうとする。場所には家が立っているため、別の家を借りそこから地下を掘って防空壕跡に到達しようとする計画である。

不動産をすると称して、一軒家を借りる。大家から息子を使ってくれと言われ、その息子である長門裕之を雇う。長門には結婚したい中原早苗がいる。家を締め切り、地下で穴堀り作業を続ける。加藤が犯罪をやらかし捕まるが、後に脱走してくる。加藤と小沢は仲が悪く、小沢を打擲したので、仕返しで包丁で加藤を殺してしまう。大家から集まるよう言われる。立ち退きが決まっていると告げられる。数日間しか残り時間がない。ようやく防空壕に到達するが、ドラム缶が落ちてきて小沢は死ぬ。ドラム缶には麻薬が入っていた。しかし殿山は毒を飲まされ死ぬ。西村も殺される。長門が来て死体を見つけ、大騒ぎになる。渡辺は麻薬の入った袋を提げ、嵐の中を逃げ出すが、警察が追い、川を渡る途中に落ちてしまう。

2025年12月21日日曜日

恐怖の洞窟 It’s alive 1968

ラリー・ブキャナン監督、米、80分、総天然色。夫婦で田舎をドライブしているとガソリンが無くなり、最初会った男にこの先の家に行けば貰えるかもと言われ、そこに行く。すると主人は愛想よく迎えたが、二人を洞窟に閉じ込めてしまう。最初に立ち寄った男も、この家に来て同様に閉じ込められる。

洞窟の奥の方に探検に行く。その洞窟の奥の池には怪物がいた。現れて旦那の方を殺してしまう。この家の主人にはやや老けた女がいて、その女も同様に犠牲者で、閉じ込められた二人を助けたいと思っている。主人は最終的に怪物に殺され、老けた女もやられる。二人は逃げられた。

2025年12月20日土曜日

フローべール『ボヴァリー夫人』 Madame Bovary 1856

19世紀の写実主義小説の傑作とされている。医師と結婚したエンマは平凡な結婚生活に飽き足らず、凡庸な夫を憎み、ロマンスに憧れる。最初住んでいた田舎に飽き足らなく、ルーアンの近くに引越しする。そこで村の書記と恋愛関係になる。書記は逃げてしまい、後にプレイボーイの男と恋愛関係になる。商人からの売り込みで、多くの商品を買う。それで首が回らなくなり、情人らに金策を頼んでも全く協力してくれない。最後に薬を飲んで自殺する。人妻が不倫をし、最後は破滅すると要約すれば『アンナ・カレーニナ』と同じである。

この小説を書くのに、フローベールが非常に苦労したとか、自由間接話法なる手法で書かれているとか、そういった作り手側からの話はよく聞くが、読んで面白い小説だと思うだろうか。自分は何度読んでも面白く思えないのである。

2025年12月19日金曜日

猟人日記 昭和39年

中平康監督、日活、123分、白黒映画。戸川昌子の原作で本人も出演している。中谷昇はプレーボーイで何人もの女を物にしていた。ところが自分が関係した女が殺される。一人だけでなく、次々と殺され、自分の持ち物が現場に証拠品として残っている。逮捕され死刑判決を受ける。

弁護士とその助手(十朱幸代)が自分の謎を解いていくのが後半の筋である。ある女が画策して中谷を罠に陥れていると分かる。それは何者か。最初の被害者の姉かと思ったら、意外な人物が犯人と最後に分かる。中谷は猟人日記として自分の女漁りを日記につけていた。それが盗まれ、発見された時は最初のページが破られていた。それを知った中谷は控訴を取り下げる。そこには自分の妻(戸川役)のことが書いてあった。妻は以前出産で奇形児を産んでいた。それ以来夫婦の仲は冷え、猟人日記を読んで夫の相手になった女を殺し、夫に罪をかぶせるつもりで犯罪をしていた。中谷は釈放され、以前殺された女の産んだ赤ん坊がいると聞かされ、将来に希望が持てるようになる。

2025年12月18日木曜日

一寸法師 昭和30年

内川清一郎監督、新東宝、82分、白黒映画。乱歩の原作では浅草公園となっているところを撮影当時の渋谷に変更。それ以外はわりと原作を尊重している映画ではなかろうか。

宇津井健が原作の好奇心の強い青年、小林紋三(少年探偵団の小林少年ではない)を演じ、探偵は旗とかいって二本柳寛がしている。夫人は三浦光子で、その娘と女中の二役を三橋達也と結婚した安西郷子が演じる。安西郷子の出ている映画はあまり見られないので貴重。一寸法師役は実際の小人で、サンドイッチマンをしていた者がやっている。